アンリ・サラ Le Clash
大阪国立国際美術館で、
アンリ・サラの手回しオルガンと手回しオルゴールを使った映像作品を鑑賞。
アンリ・サラはアルバニアのティラナ生まれのアーティスト。
実は大阪展より先行して
東京カイカイキキギャラリーで展示がされていたのだが
その際には見逃してしまったので大阪まで足を運んだ。
展示は
広めの部屋に2本の映像が
前方と後方で交互に流れる
一方の映像は Le Clash (2010)
フランスボルドーのさびれたコンサートホール前で、
イギリス出身のパンクロックバンド「ザ クラッシュ」の代表曲のひとつ
should i stay or should i go が演奏される。
男性2人がそれぞれ
バレルオルガンとミュージックボックスの二つの曲を奏で、
その音と女性のうたごえが街並みにこだまする。
対辺の映像は、「アンサー・ミー」(2008),
冷戦時代に通信傍受基地としての機能を果たしていたベルリン郊外の
「トイフェルスベルグ(魔の山)」と呼ばれる廃墟を舞台に
男女の別れるシーンが描かれる。返事をしてと問いかける女性。
問いを遮るように叩き続けるドラム。
世界と世界の間の意味、存在と世界と存在と、というあたりをさぐる感じを受ける。
意味を問う部分もあるのでやや左脳も使うのだが
言語的なものとしての意味ではない部分の意味へのアプローチをする彼が
音楽であるが回転というだけの身体動作であるこれらの楽器をとりあげたことが抱える必然は
以下のインタビューに垣間見られる。
アンリサラ インタビュー1
http://www.art-it.asia/u/admin_ed_feature/H7Ali0Vyg5TLRvMdGUKY/?lang=ja
アンリサラ インタビュー2
http://www.art-it.asia/u/admin_ed_feature/cujyT1xQoDqMO5rA2swE/?lang=ja
少々の引用をすると
・継続と断裂
・統語論
・高周波はどちらかと言えば記憶と関係していて、低周波が持つ雰囲気は体験に関係しています。例えば、メロディは大抵中くらいから高周波にありますが、コンサートに行って翌日、友達と話しているときに言葉で伝えられないのは低周波、つまり身体で感じたことです。
言語は必然的に高周波に基づいているのではないかと思うのです——何度も繰り返して言うことができますし、そもそも言語とは体験そのものではなく、既になんらかの体験の訳でしかありません。音楽はどちらの側面も同時に持っています。
・言い換えると、人の感情が、言語化不能な、次の日には要約を話すことはできない、一対一でしか体験できないようなことを経験するような状況を作り、それを録音し、監督することに関心を持っています。私の映像作品には、その全てを内包するイコンと呼べるイメージは滅多にありません。全体として体験しなければならないような作品を作りたいと思っています。私にとっては、その効率の悪さこそが私の表現をより明確にするのです。
このあたりか。
映像以外の展示物としては
映像会場の外に
振動により無人で自動的にドラムをバチがたたくかのように見えるドラムセットが
ずらりと数セット
それぞれべつべつのリズムを刻む
あとは平面作品
カイカイキキの様子
http://www.art-it.asia/u/admin_expht/Q9SPd0Bm1fvNWuFyXcLD/?lang=ja
http://gallery-kaikaikiki.com/2011/09/anri-sala/
東京の内容は
新作を含む「Le Clash」「Tlatelolco Clash」「Long Sorrow」の
3本の作品の上映、
ギャラリーの窓と外部の建築の窓に設置されたオルゴールが
空間を超えて共鳴する「No Window,No Cry」、
レセプションでの手回しオルガンによるパフォーマンス
大阪にはきていないもうひとつのオルガン使っている作品
Tlatelolco Clash (2011)が見たかった。
2011年の最新作にもオルガンを残したなかで
2010年の作品とどうかわったかが気になる。
Le Clash (2010)での個人的に強くのこった印象は
ミュージックボックス(手回しオルゴールか)をまわす右手に対し
完全に意味をころした左手の意味の強さ。
ぴくりとも動かさず、力もいれずオルゴールの横にありつづける
死に近い怖さを孕んだ確実な生の静物
ウォーカープラスでの他の人の大阪レビュー
http://news.walkerplus.com/2011/1003/33/
アンリ・サラの手回しオルガンと手回しオルゴールを使った映像作品を鑑賞。
アンリ・サラはアルバニアのティラナ生まれのアーティスト。
実は大阪展より先行して
東京カイカイキキギャラリーで展示がされていたのだが
その際には見逃してしまったので大阪まで足を運んだ。
展示は
広めの部屋に2本の映像が
前方と後方で交互に流れる
一方の映像は Le Clash (2010)
フランスボルドーのさびれたコンサートホール前で、
イギリス出身のパンクロックバンド「ザ クラッシュ」の代表曲のひとつ
should i stay or should i go が演奏される。
男性2人がそれぞれ
バレルオルガンとミュージックボックスの二つの曲を奏で、
その音と女性のうたごえが街並みにこだまする。
対辺の映像は、「アンサー・ミー」(2008),
冷戦時代に通信傍受基地としての機能を果たしていたベルリン郊外の
「トイフェルスベルグ(魔の山)」と呼ばれる廃墟を舞台に
男女の別れるシーンが描かれる。返事をしてと問いかける女性。
問いを遮るように叩き続けるドラム。
世界と世界の間の意味、存在と世界と存在と、というあたりをさぐる感じを受ける。
意味を問う部分もあるのでやや左脳も使うのだが
言語的なものとしての意味ではない部分の意味へのアプローチをする彼が
音楽であるが回転というだけの身体動作であるこれらの楽器をとりあげたことが抱える必然は
以下のインタビューに垣間見られる。
アンリサラ インタビュー1
http://www.art-it.asia/u/admin_ed_feature/H7Ali0Vyg5TLRvMdGUKY/?lang=ja
アンリサラ インタビュー2
http://www.art-it.asia/u/admin_ed_feature/cujyT1xQoDqMO5rA2swE/?lang=ja
少々の引用をすると
・継続と断裂
・統語論
・高周波はどちらかと言えば記憶と関係していて、低周波が持つ雰囲気は体験に関係しています。例えば、メロディは大抵中くらいから高周波にありますが、コンサートに行って翌日、友達と話しているときに言葉で伝えられないのは低周波、つまり身体で感じたことです。
言語は必然的に高周波に基づいているのではないかと思うのです——何度も繰り返して言うことができますし、そもそも言語とは体験そのものではなく、既になんらかの体験の訳でしかありません。音楽はどちらの側面も同時に持っています。
・言い換えると、人の感情が、言語化不能な、次の日には要約を話すことはできない、一対一でしか体験できないようなことを経験するような状況を作り、それを録音し、監督することに関心を持っています。私の映像作品には、その全てを内包するイコンと呼べるイメージは滅多にありません。全体として体験しなければならないような作品を作りたいと思っています。私にとっては、その効率の悪さこそが私の表現をより明確にするのです。
このあたりか。
映像以外の展示物としては
映像会場の外に
振動により無人で自動的にドラムをバチがたたくかのように見えるドラムセットが
ずらりと数セット
それぞれべつべつのリズムを刻む
あとは平面作品
カイカイキキの様子
http://www.art-it.asia/u/admin_expht/Q9SPd0Bm1fvNWuFyXcLD/?lang=ja
http://gallery-kaikaikiki.com/2011/09/anri-sala/
東京の内容は
新作を含む「Le Clash」「Tlatelolco Clash」「Long Sorrow」の
3本の作品の上映、
ギャラリーの窓と外部の建築の窓に設置されたオルゴールが
空間を超えて共鳴する「No Window,No Cry」、
レセプションでの手回しオルガンによるパフォーマンス
大阪にはきていないもうひとつのオルガン使っている作品
Tlatelolco Clash (2011)が見たかった。
2011年の最新作にもオルガンを残したなかで
2010年の作品とどうかわったかが気になる。
Le Clash (2010)での個人的に強くのこった印象は
ミュージックボックス(手回しオルゴールか)をまわす右手に対し
完全に意味をころした左手の意味の強さ。
ぴくりとも動かさず、力もいれずオルゴールの横にありつづける
死に近い怖さを孕んだ確実な生の静物
ウォーカープラスでの他の人の大阪レビュー
http://news.walkerplus.com/2011/1003/33/
by a-avenue
| 2011-12-11 18:48
| 手廻しオルガンのある作品
カテゴリ
全体
手回しオルガンがくるよ♪
てまわしオルガンのこと
まちの人と
谷目基さんの木製オルガンと函館
谷目基さん手廻しオルガン製作記
函館と北海道-旅人以上住人未満
横浜とみなとのまち
P.BOUWさん手廻しオルガン&長崎
ギリヤーク尼ヶ崎
コラボレーション×KINO
ギリヤークさんの健康状態
突然社会学の時間
オルガンの町 Waldkirch
オルガネッタと
Pierre Charial
オルガンの作り手とその町
手回しオルガンのある場所
手廻しオルガンのある作品
手回しオルガンを弾くひと
オルガンロールを作ってみよう
オルガンブックを作ってみよう
オルガンのメンテナンスいろは
オルガン笛を作ってみよう
手回しオルガンの鳴る仕組
バレルオルガン治してみよう
コンサーティーナをなおそう
人形演劇について
ひとりごと
木のものと
くるくる回そう くるくる回想
北海道新幹線の始まりの日
北海道新幹線2 初めて走る日
北海道新幹線3 新幹線と会いたい冬
北海道新幹線4 ぴったり150日前ツアー
北海道新幹線5 新幹線と会いたい秋
北海道新幹線6 新幹線になりたい!?
北海道新幹線7 開業100日前
北陸新幹線一番列車で初往復
突然社会学の時間
未分類
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手廻しオルガンのある作品
手回しオルガンを弾くひと
オルガンロールを作ってみよう
オルガンブックを作ってみよう
オルガンのメンテナンスいろは
オルガン笛を作ってみよう
手回しオルガンの鳴る仕組
バレルオルガン治してみよう
コンサーティーナをなおそう
人形演劇について
ひとりごと
木のものと
くるくる回そう くるくる回想
北海道新幹線の始まりの日
北海道新幹線2 初めて走る日
北海道新幹線3 新幹線と会いたい冬
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