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雪と火事

朝から消防車の鳴る音がきこえる。

「(函館は)この時期は雪で煙突が詰まってしまったりして火災が多いんです。
周りに雪はあっても、火がついたらすぐ水蒸気になってしまうので
水のかわりにはならなくて」

どこでなのかわからなかったけれど、その音の止まった先は遠くなかった。

町を歩き、少し違和感のある場所で立ち止まる。
叙述的ではなくなんとなくの感覚のようなもので歩いているので、
最初違和感の質がわからなかった。

「昨日燃えちゃったんだ」と歩く人が話しかけてきた
あ、この黒い色、火事、、、

なくなった窓
焼けた天井
どうみても火事だった

彼が続ける
「嵐の日でなくてよかったさ。
一昨日だったら風が強くて大変だった。
そんな日だとここら中全部なくなってしまう」
感情論に先立つ現実論に立ち竦む。

函館は幾度かの大火の過去を持つ町であることは歴史を紐解けばすぐに触れる事実で
中でも1934年(昭和9年)3月21日の函館大火と呼ばれる火事では
二千名をこえる人が亡くなっている。
数字の上では東日本大震災での福島県での死者数を越すほどの災害だった。

玄関側にまわってみると、隣の家と二件、
燃えて、部屋がなくなっていた。



その後、立ち寄った店の主人が
最近こわかった話として
「この間、暖かくなって屋根の雪がどさっとおちてきて
それがちょうど暖炉の排気口を塞いでしまって
それに気づかず、暖炉に火つけたらいきなり赤く、ぼって燃えて
あわてて水かけて、起きていたからよかったけど
起きる前に火をつけて部屋あったかくなまでまた寝ることもあるから
そんなときだったら危なかった」
と。
その後、排気口のまわりの雪かきだけはしっかりすることにしたそう。
この土地に長く住む人でも時としてもそうなのか



慣れていないので幾度も道で滑りそうになったりしながら
雪には色々なことを思う。

雪道を歩くひとつでも、雪国に住んでいる人は
私とは早さが違う。
どうしたら、ここで生きていけるのかを体で知っているし
対処は色々知っているけれど、
根本的に敵わないもの、のそばで、ずっと
いきてきたこと、いきていくこと。

そんなに明示的にいつでも認識しているわけではないと思うけれど
そのごく身近に毎年訪れる畏怖のようなものはきっと
風景の意味だけでなく、このまちを形作る何かなのだなと おもう。



今でも毎年、3月21日には函館大火の慰霊法要が執り行われていて、
昨年2011年3月21日に函館市大森町の函館大火慰霊堂で行われた
函館大火殉難者78回忌慰霊法要(函館市仏教会主催)では
会場には東日本大震災の義援金を募る募金箱も設置され、
法要終了後に実施予定だった大火を想定した防災訓練は、東日本大震災の影響により自粛されたそうです。

函館新聞
http://www.hakodateshinbun.co.jp/topics/topic_2011_3_22.html

函館市史デジタル版
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/soumu/hensan/hakodateshishi/tsuusetsu_03/shishi_05-02/shishi_05-02-07-02-10.htm



by a-avenue | 2012-03-01 10:00 | 谷目基さんの木製オルガンと函館

手回しオルガンの木の音色 まちからここから www.temawashi.org
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