横須賀の須藤さん2
(一個下のブログからの続きです)
午前中に行くかも
と仰っておられたので午後になって
今日はおいそがしかったかなーと思いながら
ややトラブルの発生したオルガンを直していると
直してるのって面白いのかな?
直してるのに人が集まってきてしまった、きゃぁ
というときの中のお一人が
「須藤です」
・・・!!
ブックの紙送りがとまってしまうことがあるという
前回それで函館送りもどしになった状況と似た状態
(でも軽度)
だったので
谷目さんとの電話では
ブックの押さえの力を調整で直せないか試みてほしいとのこと
回し手からみて右(ブック進行方向先)はブックを前に進める側の力なので
ここを時計まわりにで5分進むくらい閉める
左はブックへの後ろに引っ張る抵抗なのでここを半時計まわりに5分戻すくらい弱める
との指示
それでだめなら左をもっと弱めていって
だったのですが
須藤さんはとりあえず
紙送りローラーについている砂埃をとりましょうと
水拭き
それから15分戻すくらいだいたんに左を弱めてくださり
それで回復。
(でも5分っていったらきょとんとされたので
回す角度を時間で表すのは谷目さん独自の単位らしいと判明)
はやい・・・!
「ここの抵抗はほんのちょっとあればいいんです
押さえ具の自重だけでやったりもするのだけれど
谷目君のはちょっと軽いパーツを使っているから少し閉める必要はあるかな」
だそう。
~~~~~
そこで演奏できるようになり何曲か見ていただいた後
「失礼ながら僕には調律が狂っているように聴こえるのですが」
調律は朝あわせていたのですが
(須藤さんいらしてくださるかもとわかっていたので
むしろいつもより念入りに^^;)
ドッペルの1音に2本ある笛の2つの音のずれが大きすぎるとの指摘で
一曲弾くとあらら、たしかにこれはひどい
あ・・・!とおもいあたり
「見てくれたお子様が笛さわっちゃったんだと思います・・・」
さわりたくなるよな形なのです
チューナーは持っていたので
出そうとすると
「こどもが触っちゃうとしたら手前の笛なので
手前の音を奥の音とそろえていけばいいです」
・・・目からウロコ・・・
すごいっ
音響学ではなく
心理学・行動学に基づいたチューニング
ちょっと感動してしまいました。

(チューニングブックで一音ずつ鳴らすキノとサクサク音合わせてくださった須藤さん)
~~~~~
あと紙芝居のはじまりの紙送り、
私はいつもこの動作、ブック読み取り部を全開でやるのです。
ちいさいひゅーっという音がするんですが
それもまたよかろと思ってたんだけど
「最初のときなぜ音がしないのですか?」
うわ、よく見ていらっしゃる・・・
と思いつつ
最初の送りに足るだけのブランクがブックにないので
ためしに開けてやったら悪くなかったから
というのが私のあらましなのですが
「これだと全部音するはずなのだけれど」
といって数個穴を押さえて音が同時なるのを確認され
「全部だと風がいきわたらなくて鳴らないのか」
と
ああ、なるほど・・・
オルガンに関しては
長崎函館で勉強させてもらっているので
だいたいの仕組みはわかって使ってるのですが
ときどき原理由来じゃなくて
単に物がこう動くからこう使う、という対話的な使い方をしている部分があって
でも一瞬で違和感を覚えられるものなのですね---
おもしろいなー
〜〜〜〜〜
またすぐできるアドバイスとして、
笛の空気の出口の所にすこし小さな砂が入っているから
あとでとっておくように、とのこと。
「それだけで音が下がってしまうから」
帰ってすぐにやりました。
手回しオルガンにとって、メンテナンスは大事な仕事。
それを大切にやっていく。
~~~~~
手回しオルガンの回し手をしていて
育ててくれるのは
やっぱりお客さんと
そして職人さんから教わることはとても多いです。
手回しオルガン、パイプオルガンの世界は
決して関係者数の多い世界ではありません。
だから谷目さんと松本さんも始まりは手をとりあってきたのでしょうし
こうして職人さん同士もつながりをもっている。
谷目くんはうちにいたころは
人形を動かしたいって話してたんだよ、との須藤さん。
その谷目さんの人形つきオルガン、彼の作品は奥様ともども初めてご覧になったそう。
途中谷目さんとの電話を須藤さんにお渡しすると、元気かなどの挨拶のあと
「それで仕事はあるのかい?」
…幾つになっても親方さんなんだなぁ…
と。
その夜のうちにお便りをいただき
『谷目君とも20年振りに話すチャンスを下さってありがとうございました。』
との須藤さん
何年もあわなくても
みんなどこかでつながっていて

(谷目さんの手回しオルガンと並んで須藤さんご夫妻と)
そして須藤さんは実はカメラも詳しいらしい!ので
http://www.sorgel.net/werkzeuge/optik1.html
(撮るほうじゃなくて作る方!さすが・・・^^)
長崎から帰ってきたら
ぜひ横須賀、
もう一度訪れてみたいと思います。
とてもいい天気の一日だったので
最後は偶然うみかぜ公園の近くに住んでいた友人と
三崎口までドライブ。
富士山に沈む夕日は、もう三日くらい前にくると
ちょうどダイヤモンドリングと呼ばれる山頂に沈む夕日となったそう。
春と秋の年に二回の、一日だけの横須賀の叙事詩。

午前中に行くかも
と仰っておられたので午後になって
今日はおいそがしかったかなーと思いながら
ややトラブルの発生したオルガンを直していると
直してるのって面白いのかな?
直してるのに人が集まってきてしまった、きゃぁ
というときの中のお一人が
「須藤です」
・・・!!
ブックの紙送りがとまってしまうことがあるという
前回それで函館送りもどしになった状況と似た状態
(でも軽度)
だったので
谷目さんとの電話では
ブックの押さえの力を調整で直せないか試みてほしいとのこと
回し手からみて右(ブック進行方向先)はブックを前に進める側の力なので
ここを時計まわりにで5分進むくらい閉める
左はブックへの後ろに引っ張る抵抗なのでここを半時計まわりに5分戻すくらい弱める
との指示
それでだめなら左をもっと弱めていって
だったのですが
須藤さんはとりあえず
紙送りローラーについている砂埃をとりましょうと
水拭き
それから15分戻すくらいだいたんに左を弱めてくださり
それで回復。
(でも5分っていったらきょとんとされたので
回す角度を時間で表すのは谷目さん独自の単位らしいと判明)
はやい・・・!
「ここの抵抗はほんのちょっとあればいいんです
押さえ具の自重だけでやったりもするのだけれど
谷目君のはちょっと軽いパーツを使っているから少し閉める必要はあるかな」
だそう。
~~~~~
そこで演奏できるようになり何曲か見ていただいた後
「失礼ながら僕には調律が狂っているように聴こえるのですが」
調律は朝あわせていたのですが
(須藤さんいらしてくださるかもとわかっていたので
むしろいつもより念入りに^^;)
ドッペルの1音に2本ある笛の2つの音のずれが大きすぎるとの指摘で
一曲弾くとあらら、たしかにこれはひどい
あ・・・!とおもいあたり
「見てくれたお子様が笛さわっちゃったんだと思います・・・」
さわりたくなるよな形なのです
チューナーは持っていたので
出そうとすると
「こどもが触っちゃうとしたら手前の笛なので
手前の音を奥の音とそろえていけばいいです」
・・・目からウロコ・・・
すごいっ
音響学ではなく
心理学・行動学に基づいたチューニング
ちょっと感動してしまいました。

(チューニングブックで一音ずつ鳴らすキノとサクサク音合わせてくださった須藤さん)
~~~~~
あと紙芝居のはじまりの紙送り、
私はいつもこの動作、ブック読み取り部を全開でやるのです。
ちいさいひゅーっという音がするんですが
それもまたよかろと思ってたんだけど
「最初のときなぜ音がしないのですか?」
うわ、よく見ていらっしゃる・・・
と思いつつ
最初の送りに足るだけのブランクがブックにないので
ためしに開けてやったら悪くなかったから
というのが私のあらましなのですが
「これだと全部音するはずなのだけれど」
といって数個穴を押さえて音が同時なるのを確認され
「全部だと風がいきわたらなくて鳴らないのか」
と
ああ、なるほど・・・
オルガンに関しては
長崎函館で勉強させてもらっているので
だいたいの仕組みはわかって使ってるのですが
ときどき原理由来じゃなくて
単に物がこう動くからこう使う、という対話的な使い方をしている部分があって
でも一瞬で違和感を覚えられるものなのですね---
おもしろいなー
〜〜〜〜〜
またすぐできるアドバイスとして、
笛の空気の出口の所にすこし小さな砂が入っているから
あとでとっておくように、とのこと。
「それだけで音が下がってしまうから」
帰ってすぐにやりました。
手回しオルガンにとって、メンテナンスは大事な仕事。
それを大切にやっていく。
~~~~~
手回しオルガンの回し手をしていて
育ててくれるのは
やっぱりお客さんと
そして職人さんから教わることはとても多いです。
手回しオルガン、パイプオルガンの世界は
決して関係者数の多い世界ではありません。
だから谷目さんと松本さんも始まりは手をとりあってきたのでしょうし
こうして職人さん同士もつながりをもっている。
谷目くんはうちにいたころは
人形を動かしたいって話してたんだよ、との須藤さん。
その谷目さんの人形つきオルガン、彼の作品は奥様ともども初めてご覧になったそう。
途中谷目さんとの電話を須藤さんにお渡しすると、元気かなどの挨拶のあと
「それで仕事はあるのかい?」
…幾つになっても親方さんなんだなぁ…
と。
その夜のうちにお便りをいただき
『谷目君とも20年振りに話すチャンスを下さってありがとうございました。』
との須藤さん
何年もあわなくても
みんなどこかでつながっていて

(谷目さんの手回しオルガンと並んで須藤さんご夫妻と)
そして須藤さんは実はカメラも詳しいらしい!ので
http://www.sorgel.net/werkzeuge/optik1.html
(撮るほうじゃなくて作る方!さすが・・・^^)
長崎から帰ってきたら
ぜひ横須賀、
もう一度訪れてみたいと思います。
とてもいい天気の一日だったので
最後は偶然うみかぜ公園の近くに住んでいた友人と
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富士山に沈む夕日は、もう三日くらい前にくると
ちょうどダイヤモンドリングと呼ばれる山頂に沈む夕日となったそう。
春と秋の年に二回の、一日だけの横須賀の叙事詩。

by a-avenue
| 2013-05-05 18:15
| オルガンの作り手とその町
カテゴリ
全体
手回しオルガンがくるよ♪
てまわしオルガンのこと
まちの人と
谷目基さんの木製オルガンと函館
谷目基さん手廻しオルガン製作記
函館と北海道-旅人以上住人未満
横浜とみなとのまち
P.BOUWさん手廻しオルガン&長崎
ギリヤーク尼ヶ崎
コラボレーション×KINO
ギリヤークさんの健康状態
突然社会学の時間
オルガンの町 Waldkirch
オルガネッタと
Pierre Charial
オルガンの作り手とその町
手回しオルガンのある場所
手廻しオルガンのある作品
手回しオルガンを弾くひと
オルガンロールを作ってみよう
オルガンブックを作ってみよう
オルガンのメンテナンスいろは
オルガン笛を作ってみよう
手回しオルガンの鳴る仕組
バレルオルガン治してみよう
コンサーティーナをなおそう
人形演劇について
ひとりごと
木のものと
くるくる回そう くるくる回想
北海道新幹線の始まりの日
北海道新幹線2 初めて走る日
北海道新幹線3 新幹線と会いたい冬
北海道新幹線4 ぴったり150日前ツアー
北海道新幹線5 新幹線と会いたい秋
北海道新幹線6 新幹線になりたい!?
北海道新幹線7 開業100日前
北陸新幹線一番列車で初往復
突然社会学の時間
未分類
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まちの人と
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谷目基さん手廻しオルガン製作記
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手廻しオルガンのある作品
手回しオルガンを弾くひと
オルガンロールを作ってみよう
オルガンブックを作ってみよう
オルガンのメンテナンスいろは
オルガン笛を作ってみよう
手回しオルガンの鳴る仕組
バレルオルガン治してみよう
コンサーティーナをなおそう
人形演劇について
ひとりごと
木のものと
くるくる回そう くるくる回想
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